転職と家族

転職を考えるうえで想定されるのが家族からの反対意見です。単身者であれば最悪転職に失敗しても困るのは自分だけなので、また自分が頑張れば良いわけですが、家族がいる場合はそうもいきません。嫁(あるいは夫)がいる場合、パートナーの了承を得る必要があるのです。
やはり一番の意見として、生活環境が急激に変化することへの不安・不満があるでしょう。いまの企業で働き続ければ毎月確実に給与がもらえるはずです。ですが、転職するとなれば給与がどうなるかは未知数です。仮に転職に失敗しどこの企業にも合格しなければ、その間の給与はゼロになります。また、転職によって引っ越しをしなければならないケースもあるでしょう。そうすれば、パートナーと一緒に新居に移るのか、あるいは単身赴任という形をとるのかという話し合いをしなければなりません。もしお子さんがいるのであれば、お子さんのことも気にかけなければなりません。家族全員で引っ越しするとなれば、お子さんは転校するということになります。子どもにとって、学校で築き上げた人間関係というものはまさに宝物です。それある日突然なくなってしまうことの恐怖。これは転校を一度でも経験したことのある方ならば分かると思います。転校先の学校で再び友だちを作れるのだろうかという不安も生まれるでしょう。
近年では、海外の企業に転職する方も増えています。その場合に壁となるのがコトバの問題です。未知なる海外企業で働くことになるあなた自身も不安でしょうが、家族はもっと不安です。旅行で海外に行くのとは事情がまったく異なります。旅行なら「ちょっと英語が喋れます」レベルでもなんとかなりますが、いざ住むとなればそうはいきません。水道やガスが故障したらどこに電話すればよいのか。災害時にどう対処すればよいのか。息子・娘の習い事はどうすればよいのか。不安の種は尽きません。
このように、転職というのは家族を巻き込んでしまうものだということを強く認識しておかなければなりません。

とは言っても、転職したいというあなたの決断を曲げる必要はありません。しっかりと説明や話し合いを重ね、了承を得たうえで家族の協力を得ましょう。お金のことは問題ない。住む場所もある。いざとなれば周りの人も手を差し伸べてくれる。ひとつずつ不安を解消していけば、きっと理解を得られるはずです。

転職を機にパートナー・家族と不仲になってしまうケースもあるようです。そのような事態を避けるべく、しっかりと協議を重ね、納得いくまで話し合いましょう。